すずめの戯言

世界の片隅で愛を叫ぶ

スケーターズコレクション2022 に可能性を感じた話

2年前にブログを開設したものの30分クオリティの記事を1本書いたきり、途中で挫折した下書きばかりが編集画面に溜まっているほどには筆不精の私がこれだけは絶対に書き切りたいと決意して、今回、筆をとっているのは記事タイトルにもあるとおり、他でもないスケーターズコレクション2022の話をしたいからである。

 

イベント当日やアーカイブをみているときに私の感じた好きなポイントや贔屓である山本草太選手に関する惚気を最初はブログに書こうとしたが、そちらは以下の自分のツイートをまとめたmin.tで代用しようと思う。見苦しい文が多いが、こちらももし良ければ。

min.togetter.com

 

イベントの中身の流れに関して、私が"編集長"と慕うフォロワーさんがわかりやすく丁寧にかつ面白く書いてくださっているので、そちらのnoteの記事も是非。

note.com

 

さて、このスケーターズコレクション2022、内容の新規性が高すぎるあまり、開催されることが発表された4月1日から当日幕があがるまでの数週間、私の周辺のフィギュアスケートファンたちの間でも、「謎イベント」「詳細を何度よんでも日本語がわからない」「とりあえず推しがいるのだけはわかった」などと評され、混乱の嵐だった。

数日前まで生演奏があることすら知らされてなくて、出演者の方のツイートで発覚する始末だし。

おそらく、当日現地に足を運ばず、配信もご覧になっていないフィギュアスケートファンの間では、いまだに何も詳細がわからない謎イベント、わかったとしても、草太選手が恋ダンスを踊ったのがめちゃくちゃキュートだったらしい、選手と至近距離で2ショットが撮れたらしい、くらいの認識なのではないだろうか。(※独断と偏見まみれの1文)

 

確かにそれも間違っていないのだが、それだけの認識でこのイベントを語るのは非常にもったいないと私は感じている。前置きが長くなってしまったが、このブログではスケーターズコレクション2022の現地に足を運び、アーカイブも反芻しながら、このイベントが従来のフィギュアスケートの興行と異なり、未来性を感じさせられた点について、書き綴っていこうと思う。

 

ステージの形

今回のイベントは、ステージ上に樹脂リンクを張り、その上でスケーターが滑り、第2幕では同じくその樹脂リンクの上でダンサーが踊り、第1幕ではその前で弦楽器の生演奏が奏でられるというスタイルだった。

 

↓この4枚目の写真が1番わかりやすいだろうか。この白いステージが樹脂リンクになっている。

 

単刀直入に言うと、このスタイル、とにかく、

常に演者と観客の距離が近い

通常の大きなリンクでのフィギュアスケート観戦では、たとえ、いわゆる最前席をとったとしても、必ず選手との距離が遠くなる瞬間がある。というよりもむしろ近くよりも遠くにいる時間の方が多い。いや、確かに遠目で見て、スケーティングののびの美しさに見惚れる時間も至福ではあるが。

一方、今回は、スケーター、演奏者、ダンサーの皆様の細かい表情から指先の美しさ、光る汗に至るまでしっかりみることができた。そして、ステージに高さがあるため、普段とは違い、選手の下側から、こちらが目線をあげてみるスタイルなので、ブレードとの距離(!?)も近くじっくり足捌きを堪能することもできた。まぁ正直かなりの割合でおもわず顔ばかりみていたが(懺悔)

 

加えて、

アピールする方向がステージ正面のみ

というのも、特筆すべき点であると私は考える。

通常のリンクでは観客が四面どころか2階席にまでいるため、選手が観客に向かってアピールするポイントが自分の目の前にくることなど、徳を積まない限り、なかなかない経験で、遠くで眺めることが多いのではないだろうか。もし、毎回、群舞で推し選手の目の前に常に座れてます手を毎回差し伸べられていますなどという方がいらしたら、秘技をこっそり教えてほしい。

しかし、このステージは、上手側、花道前のセンターブロック、上手側と、大きくわけて3箇所のアピールポイントがあり、わりとどの席に座っていても、いわゆる投げキッスやら髪をかきあげる仕草、指差し等にノックアウトされる機会を得ることができたのではないだろうか。

今回、指定席ではなく、事前にわりふられた整理番号順の自由席であったため、2日目以降は自分の目当てのアピールを直撃できる席をあえて狙いにいくという楽しみ方ができたのも非常に新鮮で楽しかった。

 

そして、最後に着目したい点は、

花道の使い方

である。このイベントは、一応、ファッションショーという位置づけなので、少々長さは短いものの、花道があった。その花道のきわまでランジや軽やかなステップで進んでいくスケーターの姿は、サイドからみていても美しい姿勢と横顔が堪能でき、センターブロックからみると、通常の広いリンク以上にこちら側に迫ってくるような感覚に陥る迫力のあるものだった。

 

このようにステージの形が普段と違うだけでもいつもと違った感覚を味わうことができ、通常の氷のリンクと違った形に張ることのできる樹脂リンクという存在に可能性を感じた。

 

難点をのべるなら、ステージの形の問題、というよりは座席の問題になってしまうのだが、今回の会場は座席側に一切段差がなく、かつ市松模様ではなかったため、後列の観客は選手が低い姿勢でうごくと埋れてみえなくなってしまう場面が多々あったようだ。私自身、会場で見ていた際に、花道で山本選手が座って魅せる場面で惹き込まれたため、それがみえない席があるとなると、非常にもったいないと感じたため、次回開催される際は段差のある会場だったらよいと願ってやまない。樹脂リンクのステージをつくることのできる会場というのにどれだけ制約があるのか私はわからないが。

 

また、スケーター自身も、普段より狭いかつひと蹴りで数マスしか進むことのできない通常とは違う環境だったと述べているので、一概に樹脂リンクが良いとは手放しにいえないかもしれないが、フィギュアスケートに関連するイベントを開催する際の選択肢の幅が広がったという点ではかなり大きな一歩になるのではないだろうか。

 

最後に、私の主観的な感覚を追記すると、狭い樹脂リンクでも、普段と変わらずよくのびるスケーティングで、リンクのきわまで大きく使った演技というのもまた見応えがあったように感じる。

ストーリー性

 

 

一般的にアイスショーというと、各スケーターごとに持ち寄られた毛色の異なるプログラムやグループナンバーで構成されるものが多い。フィギュアスケート、舞台、日本の伝統芸能の融合されたアイスショーとして知られる「氷艶」をしっかりみたことがない私が語るのはお門違いかもしれないが、今回のスケーターズコレクションでの第1幕は、シーンごとに、生演奏のみ、スケーターひとり×生演奏、そして最後のスケーター3人全員×生演奏と様々な形での表現でありながら、ひとつの物語を紡ぎあげる統一感が非常に心地よいものだった。また上の小野龍一氏のツイートにあるように、当日来場者全員に配布されるプログラムにしっかりとストーリーの詳細も書かれており、事前にそれを読んでおくことで、ここでは具体的に自分の想像を書くことは控えさせていただくが、脳内で演目の解像度をあげて演目をみることができた。

 

異業種コラボ

今回のイベントでは、第2幕で登場したダンサーの方々は樹脂リンクの上で、スケート靴ではなく普通の靴で動いていた。これまでの他のイベントでは役者さんもスケート靴を履かなければならず、スケート靴で進む練習している様子を拝見したことがあるが、今回の樹脂リンクであれば、普段履いている靴でもうごける、となれば、これまで以上に異業種のパフォーマーがコラボレーションしやすいのではないだろうか。先ほどストーリー性の話をしたばかりだが、これに役者による台詞が入ったとしたら、などと考えるとまた可能性を感じられる。

 

また、異業種コラボは、イベント表現できる幅が広がるだけではなく、新たなファン層獲得にもつながるのではないだろうか。冒頭で紹介したmin.tにまとめたツイートをみていただければわかるが、私自身、今回はじめて弦楽五重奏の生演奏を目の当たりにして、今回のイベントでの演奏者の方による演奏の動画めぐりがとまらなくなってしまっている。そんな私の様子をみて興味を持った、今回は出演していない選手のファンであるフォロワーさんがその出演者の方の演奏動画をみはじめたという光景も目にしている。

今回の私とは逆に、音楽やダンサーのファンがこのイベントに出会い、フィギュアスケートの魅力に気づくというのもあるかもしれない。特にクラシック音楽のファンの方が、競技としてのフィギュアスケートは時間が限られているため、編曲の際に容赦無くカットされるのが合わないという意見を述べているのを目にしたことがあるが、今回のイベントは新たにかきおろされたオペラ音楽のため、そのようなことがなく、そういった意見を持つ人も親しみやすいものだったのではないだろうか。今回のイベントが恒例化して多くの人が出会うことができれば、より多くの人が自分の生息する”沼”とはまた違った新たな魅力に出会うきっかけになるという可能性も感じられた。

 

さいごに

これまで、つらつらと私の感じたことを書いてみたが、まずは百聞は一見にしかず、ということで配信のアーカイブを最後に紹介させていただこう。アーカイブ期間が公演日から2週間と終了まであと数日ではあるものの、まだ購入することが可能である。本編が1時間なので、時間としては比較的みやすいものである。「3公演どれも違ってぜんぶ良いのでぜんぶ見比べると10倍楽しめる!」というのが本音ではあるが、わたし個人の感覚としては、24日第1部、24日第2部、23日の公演の順におすすめだ。

23日公演

https://twitcasting.tv/c:tamami2312/shopcart/145572

24日第1部公演

https://twitcasting.tv/c:tamami2312/shopcart/147957

24日第2部公演

https://twitcasting.tv/c:tamami2312/shopcart/147960

 

(以下、慣れない だ・である調で書きにくくなってきたので突然のです・ます調になります)

 

末筆ながら、今回、自分がこのような新しい形のイベントに出会うことができたことを光栄に思います。このイベントの出演者およびスタッフのみなさま、関わったすべての方々にいくら感謝してもしきれません。

特に、私の贔屓である山本草太選手をこのイベントにキャスティングしてくださったこと、山本選手が出演してくださったことがまさに夢のようで、非常に嬉しいことでした。ありがとうございました。

今後も新しい公演を続けていくということですが、初回公演の今回からさらにパワーアップしたイベントを目にする機会にめぐまれますように。

 

感想・意見・質問、

および、こんな可能性もありそうだという野望やスケコレ語りはお気軽に下のマシュマロまで!

 

 

marshmallow-qa.com

 

情報量が多すぎるイベントでこのブログ内で書ききれなかったことも多々ありますが、幸せなひとときをありがとうございました。2日間に限らず、イベント開催が決定した日からいまに至るまでずっと幸せな気持ちで毎日をすごしています。

 

山本選手の固定ツイートの、

「念願の夢が叶った😭

一生の宝物です!!!」

とはまさにこの気持ちなのかもしれないですね。

 

 

乱文になってしまいましたが、ここまで読んでくださった方にも感謝です。

ありがとうございました。